近年、日本の政治制度において2大政党制が注目されています。その主要な理由は、健全な政権交代を可能にするために、信頼できる、能力ある野党の存在が不可欠だからです。しかし、日本の議会政治を詳しく見てみると、野党の果たした役割について疑問が生じます。
明治期の第一回国会から太平洋戦争の敗戦までを振り返ってみると、野党の主な動きは、内閣が決定した事項に反対することでした。さらに、野党が政権を掌握し、与党となったときも、新たに野党となった政党は同様に内閣に反対する姿勢を取り続けました。こうした野党の姿勢が、日本の敗戦にも繋がったとの見方があります。
現在、立憲民主党や共産党のような野党は、与党である内閣に対して反対する姿勢を貫いています。地方レベルでも、大阪府においては自民党、共産党、立憲民主党が一丸となって、与党の維新の会に反対しています。維新の会の政策が必ずしも全て良いわけではありませんが、野党が建設的な政策提案をせず、ただ反対するだけでは、結局維新の会の影響力が増す結果となります。
以上の状況を鑑みると、日本の政治の健全化に向けては、単に反対するだけの野党に退場を促すことが重要となります。さらに進めて言えば、新たな野党の役割を再定義することが必要です。これは、単に政策に反対するだけではなく、具体的な、建設的な代替政策を提案し、議論を深化させる役割を担うことを意味します。
そのような役割を果たす野党の存在は、政治の多様性を保ちつつ、政策の質を向上させる助けとなるでしょう。
